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彼には休息が必要なのだ。
十五年間、疲れをいやそうとしてきたのだが、そのどれもが効果を見せない。
心の傷を癒すには、やはり仲間が必要だろう。
互いに励まし合い、支え合う仲間が。
戦いの疲れを癒す手段はそれ以外に思いつかない。
疲れ切っていたリオンを救ったのが、キリエ達であったのと同じように。
「ま、俺はまだしばらく一介の学生として、ここに居させてもらいますよ。キリエにも言われた事だしな」
リオンは気まぐれにそう言う。
そして、孫であり弟子であり級友であるファイに向けて一言。
「これからも、平凡な毎日送ろうか」
その言葉に苦笑するファイ。
「俺にとっては、非日常ですけどね。ま、悪くない日々ですから」
二人が話していると、女二人組の料理が完成した。
流石はヘルの作った料理。
見た目も良く、豪勢だ。
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