学生の敵

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「おおっ、これはまたうまそうだな!」 先程までとは打って変わって、リオンは表情を明るくする。 素晴らしい程の明るさだ。 これは彼の本当の笑顔なのだろうか? 甚だ疑問に思う。 彼は演技をしているのではないのか、と。 今のこれは演技であるという事には、おそらく違いない。 だが、普段の彼は普通に笑えているのだろうか。 例えるのなら、ファイだけでなく、カレナやワルキやピアナと一緒にいる時だ。 ああいったとき、彼は笑っている事が多い。 だが、それは本当に心の底からの笑いなのだろうか? わざと場の空気を乱さない為に、作り笑いを作っているのでは無いのだろうか。 いま、あれほど素晴らしい変わり身を使われたのだから。 もし、リオンがそれであるというのなら、キリエの言葉通りの生活を送れていない事になる。 だが、彼は先ほどの言葉で「これからも平凡な日常を送ろうか」という言葉を使った。 それは、楽しく学生生活を送っている事になるのだが、逆にとれば、それは何事も無い退屈でつまらない生活、ということになる。 ファイ個人としては、退屈でありつつも中々楽しい日常を送ってもらえたら、嬉しいのだが。 今は亡きキリエも、それならば喜ぶだろう。
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