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「酒? 何であんたがそんなものを持っているのよ!」
結構真面目だったりする彼女は、当然素行不良行為である、飲酒に反応する。
「悪いか?」
「当たり前でしょ! 大体、あんたまだ成人してないでしょうが。酒なんて飲んでいい訳無いじゃ無い。というか、どうやって持ち込んだのよ」
「ここに来た時から、持っていたんだぜ。結構な上物だ。なんならカレナ、お前も飲んでみるか?」
「結構よ。私はそんなものを飲まないわ!」
「優等生だね。まぁ、落ちこぼれの俺には関係のない事か。ファイも飲むって言うのに」
リオンはそこで切り札を取り出す。
「ちょ、何妙な事を言っているんですか。俺はそんなものを飲みませんよ」
「つれない事を言うなよ。男なら酒の味を覚えないといけないぜ?」
「そんな必要性は全く感じませんがね」
「お前にも分かる時が来るさ。俺がそうだったんだからな」
「……たとえそうであったとしても、今の自分には必要は全くありません」
「やれやれ、度を過ぎなければ、飲んでも構わないというのに」
「リオン様が、特別なだけです。というか、没収しますよ?」
折角の切り札が、まったく役に立たなかったので、溜息を吐く。
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