学生の敵

21/89

19288人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
「酒? 何であんたがそんなものを持っているのよ!」 結構真面目だったりする彼女は、当然素行不良行為である、飲酒に反応する。 「悪いか?」 「当たり前でしょ! 大体、あんたまだ成人してないでしょうが。酒なんて飲んでいい訳無いじゃ無い。というか、どうやって持ち込んだのよ」 「ここに来た時から、持っていたんだぜ。結構な上物だ。なんならカレナ、お前も飲んでみるか?」 「結構よ。私はそんなものを飲まないわ!」 「優等生だね。まぁ、落ちこぼれの俺には関係のない事か。ファイも飲むって言うのに」 リオンはそこで切り札を取り出す。 「ちょ、何妙な事を言っているんですか。俺はそんなものを飲みませんよ」 「つれない事を言うなよ。男なら酒の味を覚えないといけないぜ?」 「そんな必要性は全く感じませんがね」 「お前にも分かる時が来るさ。俺がそうだったんだからな」 「……たとえそうであったとしても、今の自分には必要は全くありません」 「やれやれ、度を過ぎなければ、飲んでも構わないというのに」 「リオン様が、特別なだけです。というか、没収しますよ?」 折角の切り札が、まったく役に立たなかったので、溜息を吐く。
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19288人が本棚に入れています
本棚に追加