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慌てたように止めようとするファイは、何かいい口実を探していた。
この眼の前の愛しい少女が、その素肌を自分の前に出さない様に。
そうなってしまっては、自分の理性を保つ自信がない。
だが、不意に一人の存在を思い出した。
リオンの事だ。これを使わない訳にはいかない。
「待つんだカレナ。ここにはリオン様がいるし、絶対に脱いだら駄目だ!」
「リオンー? 誰ぇ、それぇ?」
「ちょっと待て、お前の近くにいるだろう!」
少しだけ、リオンに目線を逸らして見せる。
それと同時に、ヘルの姿も映りこんだ。
その美しい顔立ちと、体が。
「ぶぅ、知らないわよぉ、そんな男ぉ。わらひはねぇ、ファイがそこにいる二人に取られない様にするために、ここで脱ぐんだよぉ」
「ちょ、まれカレナ……」
だんだんと酔いが回ってきたのか、だんだんとろれつが回らなくなってくる。
強烈な脈が、アルコールを早く脳に送り込んだのだろうか?
「だって、最近ファイがわらひにれんれん、はなひはけてくれなひから、わたひのはらかを見せつけてやるんらぁ!」
妙に意気込む彼女は、びしっとヘルに指さす。
「それにぃ! そこの女ひょりもわらひの方がいい女らって事を、ひょうめいして見せるんだから!」
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