学生の敵

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そのまま、バランスを崩して、倒れこむ二人。 カレナは倒れこんだときに、受け身をとりきれずに、後頭部を強打し、昏倒。 そしてファイは、彼女に馬乗りになってしまった事により、気を失ってしまった。 なんと初心な事だろうか。 当然、酒の影響もあるのだろうが、それにしたってこんな事で気を失ってしまうとは。 これは、告白する事など、まだ先の話であろう。 「……落ちたな」 「……落ちましたね」 リオンとヘルの二人は、気を失った二人を見てそう呟く。 「やれやれ、これは間違いなく酔い潰れてしまったな。あれくらいの酒で、潰れてしまうとはなんとも言えないよ」 「主、流石に酒を飲んだことのない者には、結構つらいと思いますが」 「そうか? 俺が最初に酒を飲んだ時はこれとは違ったがな」 「……主は一体いつから飲み始めたんですか」 「さぁ。何歳だったかな。今が大体五百くらいだから、百くらいの時かな?」 「年齢が違いすぎますよ……流石に」 「外見はそう変わらんがな」 「一時期は変わっていたんじゃないのですか? 不死の力を得る為には時間がかかったと思いますが」 「そうだな……外見が変わるまでに、ひとつ取り込んでおいたからな」 「……成程、分かりました」 ヘルは小さく溜息を吐く。 一つ取り込んだという事は、そこから生命の長さが延びたという事になる。 故に、その時から姿があまり変わっていない事になる。
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