19288人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
そのまま、バランスを崩して、倒れこむ二人。
カレナは倒れこんだときに、受け身をとりきれずに、後頭部を強打し、昏倒。
そしてファイは、彼女に馬乗りになってしまった事により、気を失ってしまった。
なんと初心な事だろうか。
当然、酒の影響もあるのだろうが、それにしたってこんな事で気を失ってしまうとは。
これは、告白する事など、まだ先の話であろう。
「……落ちたな」
「……落ちましたね」
リオンとヘルの二人は、気を失った二人を見てそう呟く。
「やれやれ、これは間違いなく酔い潰れてしまったな。あれくらいの酒で、潰れてしまうとはなんとも言えないよ」
「主、流石に酒を飲んだことのない者には、結構つらいと思いますが」
「そうか? 俺が最初に酒を飲んだ時はこれとは違ったがな」
「……主は一体いつから飲み始めたんですか」
「さぁ。何歳だったかな。今が大体五百くらいだから、百くらいの時かな?」
「年齢が違いすぎますよ……流石に」
「外見はそう変わらんがな」
「一時期は変わっていたんじゃないのですか? 不死の力を得る為には時間がかかったと思いますが」
「そうだな……外見が変わるまでに、ひとつ取り込んでおいたからな」
「……成程、分かりました」
ヘルは小さく溜息を吐く。
一つ取り込んだという事は、そこから生命の長さが延びたという事になる。
故に、その時から姿があまり変わっていない事になる。
最初のコメントを投稿しよう!