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つまり、この状態から歳をとった彼の姿を想像する事は、不可能であるということだ。
若干歳をとった彼の姿を想像してみるも、どうしても精悍な顔つき以外思い浮かばない。
「さて、ファイはこのままベットに寝かしつけておくか。ヘル、孫の方は頼んだぞ」
「かしこまりました」
「それじゃあ、俺はこの娘を運んでくる。終わったら休んでくれ」
リオンはそれだけを言い残すと、カレナを抱き上げて部屋から退室した。
そして、そのまま彼女の部屋へと直行する。
彼女の部屋に向かうまでの間に、誰の姿を見かけなかったのは、やはりテスト勉強をする者が為だろう。
みんな少しでも好成績を残して、よい待遇で軍やギルドに入りたいのだろう。
ギルドに登録してから、短期間で上位に上りつめたリオンにとっては、あまり縁のない話だ。
カレナの部屋の前までたどりつく。
当然、扉には鍵がかかっている。
一人暮らしの女子が、部屋に鍵をかけるのは当然だろうが、流石にこれには困った。
と、運んで来たのがファイならばここで、悩むところだろうが、リオンはそうでは無い。
彼女の服をあさって、鍵を取り出す必要性も無い。
リオンは魔法で扉の鍵をあけると、ドアノブを回し部屋の中に入った。
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