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翌日、ファイは何時もよりも、若干早い時間に目を覚ました。
起きると同時に、若干頭に響くような痛みが襲ってくる。
恐らく酒を飲んだことにより、二日酔いにでもなったのだろう。
ぼんやりとした意識の中、昨日何で自分が寝てしまったのか、思い出そうとする。
(確か昨日は……そうだ、カレナとリオン様が来て、それから四人で食事をとったんだ。それでその後、すぐに勉強を始めて、そしたらヘルが何か飲み物を持って来て……で、俺達はのどが渇いていたから、それを一気に飲み干したんだ……で、それからの記憶がかなり曖昧になっているな……)
ぼんやりとする頭をかいて、とりあえず起きあがる。
「確か、リオン様が酒を持ち込んでいたからなぁ……。あの時ヘルが持ってきた飲み物が、酒だったんだろうな」
溜息を大きく吐く。
「あの死神も、真面目なのか茶目っ気があるのか、よく分からないな」
そう呟くと、台所に行ってコップに水を注ぐ。
よくは知らないが、二日酔いの時は水を飲むというイメージが濃いのだ。
そして、何やら頭の片隅に、甘い感覚が残っている事に気がつく。
それが何だったのか、気にはなったが、二日酔いで記憶を取り戻そうとする事は無謀だと、そう思ったので、考えるのをやめる。
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