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その視線を浴びながらも、笑みを絶やさないリオン。
「いや、別に? そうかそうか。これからの成績の基盤か……これは、若干面白い事になりそうだ」
そう一人ごとを言うと、自分の席へと向かうリオン。
その後姿を見る限り、悪い予感しかしない。
外れてくれればありがたいのだが……。
ここ最近は厄介事が、多く続いているので、今回のテストでも何か起こらないかと、不安になってしまう。
杞憂であって欲しいのだが、そうは問屋がおろしそうもない。
何かしら対策を講じておくにこした事は無いだろう。
特に、リオン関係で。
またも憂鬱に溜息を吐くと、カレナの席に目をやる。
周囲を見回しても、いないとなるとどうやらまだ学校に来ていないようだ。
それと一緒にピアナの姿も見当たらない。
推測するに、おそらく、彼女も二日酔いなのだろう。
その所為で、ベッドから抜け出せずに、ピアナが処置をしているのではないか。
まぁ、ピアナの事だ。
お嬢様の危機を簡単に取り去ってしまう事だろう。
しかし、昨日はカレナと何かあったような気がするのだが、一体それは何だったのだろうか。
思い出したくもあるし、なぜだか思い出したくない気もする。
全くもって不思議な話だ。
リオンに聞けば何かの情報は手に入るのだろうが、聞きたくは無い。
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