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人生で初めてのラブレターかも知れないものに、パニック寸前の俺は急いで靴を履くと土間から出た。
「──ぶっ!!」
出た、のは良かった。
けど土間から出た瞬間デコと鼻が何かにブツカってめちゃくそ痛い。
畜生何なんだ!!
「あ……ごめんっ」
上から聞こえた声に文句でも言ってやろうと顔を上げた。
「てめぇ!!……え?」
「あぁ、幸哉くんじゃない」
目の前に居るのはもしかしなくても
「会長?」
「あ、凄いね。幸哉くんが覚えてるなんて」
そうだ、こいつ生徒会長だ。
いや……名前分かんないけどさ。
「すんませんでした。……じゃ」
「え?ちょっ」
そうだ!忘れるとこだった。
俺今人待たせてんだよな。
「幸哉くん!!」
後ろから会長の声が聞こえたけど、別に会長と仲良いわけでもないし、今は優先順位的に女の子だろってことで。
……いや、別に告白とか決まったわけじゃないんだけど。
つかドッキリとかだったら超へこむ。
……期待なんてしないもん。
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