23人が本棚に入れています
本棚に追加
暫く肩を上下させながら呼吸を整えて、幾分か落ち着いたところで会長は言った。
「……手紙、読んで来たんだよね?」
手紙?
会長から?
「手紙ですか?」
「うん、て。読んでないの?」
手紙って単語を聞いて反応してしまったけど、さっきの偽ラブレターと会長とは何の繋がりも無いわけで。
一体会長は何の事を言ってらっしゃるのでしょう。
「……えぇーと。会長から?ですよねそりゃ」
「うん?」
何の悪さも知らないような顔をして頭を傾ける会長に、さっきの偽ラブレターって会長が書いたんですか?なんて聞けるわけもなく。
そもそも会長を疑ってるわけじゃないんだけど。
そうなると全くもって会長の言ってる手紙が何なのか分からない。
「すいません、何の事だかさっぱり……」
「そっか。まぁ別にここに来てって書いてあるだけだったんだけどね」
ん?
あれ?
それ、さっき見ましたよ。
確に、そんな感じの手紙。
けど、それって、
ラブレター……
「……ぁ」
「どうしたの」
てゆーかさ。
そうだよね、そっかそっか。
最初から別に。
最初のコメントを投稿しよう!