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「私さっ…」
「ん~?」
「最近、自殺していく人が多いじゃない?」
「そうだねぇ…」
「そんな人達の命がほしい。自分で死んでいくなら、私がその命がほしい。子供のために、私は生きていたいだよ!」
言葉を一瞬無くしてしまう…。
どれだけの治療に、毎日耐えているのだろう。
必死に生きようと、どれだけ頑張っているのだろう。
頑張っている人に、これ以上頑張れとも言えない。
大丈夫だよ。なんて軽々しい言葉しか出せない自分が情けない。
でも、今はそれしか言えなかった。
「そうだよね。頑張って生きようとしてる人に、命がもらえればいいのに。でも、きっと戻れるよ。子供達の元に。子供達も待ってるじゃない。」
「うん…」
心なしか、波美の顔が曇った気がした。
気が付くと外は夕方になっていた。
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