3分の激戦

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「邑ちゃんは3分かせいで!その内に私が再封印の術式構築するから!」 言うと茜は空間を切り裂き、歪曲した空間から一つの弓と矢を取り出した。 弓と矢に名前はなく、常に消費されるものであった。 「3分て、こんなん相手に無茶言うな!」 邑は目の前のモノが封印から這い出てカタチをなすのを見て絶望を覚えた。 それは鬼。 二本の角を持ち、筋肉で異常に膨れ上がった巨腕はひと振りで人体をちぎってしまいそうだ。 「しっかりして下さい邑様。」 「GRWOOOOOOOOOO!!!!」 俺が棒立ちになっていると暦が束縛魔法をかけて鬼がそれ以上封印から出てこないよう動きを縛った。 すると鬼は腹の底に響く叫びをあげて、そのプレッシャーに潰されそうになる。 「もうあなたがやるしかないんです!無気薙刀を振るって下さい!」
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