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信号が青に変わり、皆一様に歩き出していく。道路上に引かれた白黒の線を踏み越えて、ただ淡々と歩を進める。道路のど真ん中で立ち止まるやつなんて誰一人としていないし、誤って人混みに突っ込んでくる車もいるわけなかった。
いつも通りなにも変わらない、平和な朝の風景。
学校に近づくにつれ、同じ制服姿がちらほらと集まりはじめた。顔見知りがいれば適当に挨拶を返したりしながら、俺は正門を潜った。玄関口に入り、手早く靴を下駄箱にしまって上履きを履いた。
今日も退屈な日常が始まる。
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