透明な場所

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「やっと終わりか……」

全ての授業終了を告げるチャイムが鳴り、俺は長く息を吐いた。今日も退屈な学校が終わった。
教室全体がざわざわと帰り支度に取りかかると、前の扉を開けて担任の男性教員が入ってきた。帰りのホームルームだ。

「今日は大事なもの配るからよく聞いとけよー」

そう最初に忠告して、教員はプリントを配りはじめる。
俺は鞄に教科書を詰め込む手を一旦止めて、まわってきたものを確認した。見れば、B5ぐらいの白い紙の中央に枠線が印刷され、そのなかに三列ほどの記入欄が設けられており、欄外の上部には『進路調査表』の太字があった。