8人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
風がヤクザ達へと強く吹き出す
メビウスはその風に乗り、ヤクザ達と擦れ違い様に、肩、腹、背中、首、脇腹等の部分を破壊し、戦闘不能にした
「人間ごときが…」
「うっ……いてぇ…ちくしょ…くっ」
「身体の一部を壊しただけだ、すぐ治る」
「………ふっ…」倒れたヤクザが、笑う
「―――死ね!」
いつの間にか、メビウスの後ろにナイフを持った男がいた
男はナイフをメビウスに突き刺そうと振り降ろしたが―
ビューー!!
メビウスの身体にナイフが突き刺さる前に、風が男を連れさらい、上空へと高く前上がり、最後に男は3階ぐらいの高さから墜落した
「………あんたが今笑ったのは…俺の後ろにナイフを持った男が不意打ちで俺を殺してくれると思ったからか…?」
メビウスは最初から、後ろに男がいた事に気付いていた
ただメビウスはあえて、そ知らぬフリをしたのだ
「くっ……!」
男はくやしそうな顔をする
「なぁヤッサン、あんたの仲間、逃げ出してるぜ」
「なに!?お、おい待て!俺を置いて行くな」
しかしヤクザ達は急いで自分達が乗ってきた車にのり、ためらいもなく逃走しだした
「…さぁオッチャン、残りはあんたただ一人。話でもしたいとこだが、あいにくもうすぐで学校が開くんだ。それに人も多くなる」
「う、うるさい化物!こっちへくるな!!」
「……俺達を化物と呼ぶのはちょい遅かったな。だが化物以外の呼び方もあるんじゃないかい?」
「うるさい、うるさい!いいからこっちへくるな!」
「《道化師》っていう呼び方がさ」
ドンッ!!
ヤクザのおっさんの上空に、重く強い風が降り墜ちた
ヤクザのおっさんの身体は、風の重さに耐え切れず、コンクリートにめり込んだ
「俺達はthreeclowns(三人の道化師)、俺は二番目の道化師、〈破壊の風〉を持つ、メビウスだ」
その声は、ヤクザの耳に入る事なく、風が言葉をさらっていった
最初のコメントを投稿しよう!