73人が本棚に入れています
本棚に追加
王都・クヤホーマ
多くの人々が暮らす大都会。
水は豊かで、治安も良い。
何よりも、人々は明るく活発的で色んなところから、店の宣伝の声がしてくる。
そんな王都・クヤホーマの中心に、国の象徴として白い大きな城が聳え建っている。
その城では現在、あるものを探していた。
「女王の庭はまだ見つからぬのか。」
「っは。ただいま捜索しております!!」
ドカリと赤くて立派な椅子に座っている年老いた男は、白髪混じりの顎髭を太い指で撫でる。
「ガディロンはまだ来ないのか!?」
「王!ガディロンはもうすぐここに来ます!」
必死になって、王を宥める家臣の男は、これまた立派な出立ちをしていた。
茶色い長い髪は下の方で軽く括り、顔自体は童顔だが、整っていて愛らしい。
「ガディロン・ディーデ。ただいま到着しました。」
銀色の鎧を纏った長身の青年が王の前で膝を付いた。
「庭という庭を探しておりますが、一向に見つかる気配すらありません。」
「クソッ!何故見つからない……」
女王の庭が見つからないという事に苛立ちを隠せない王。
そんな王に冷や汗を掻く、臣下達。
最初のコメントを投稿しよう!