まず初めに

6/10
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
  みんな動揺がしすぎて放送が聞き取れない。   とりあえず授業がないということだけはわかった。   それと、部活対抗で戦ってもらう?…   意味がわからないが、以前に流行ったバトルなんとかみたいなものか?   そんな非現実的なことは有り得ないだろうと、俺は自分の考えを一蹴する。     「なぁ小田原、さっきの放送なんて言ってた?」     「わかんね、とりあえず授業がないのは嬉しい」     うん、それは俺も嬉しい。     「駿は放送聞こえたー?」      「俺も聞こえなかった。でも部活対抗で戦うとか言ってた気がする」     どうやら俺の聞き間違いじゃないらしい。   駿っていうのは俺の友人で、サッカー部。優しくて良いやつだ。いつもノートを見せてくれるから本当に助かってる。     「ちょ、部活対抗とか帰宅部な俺はどうしろと?」     そういう彼は大悟。帰宅。面白くて良いやつだ。銀縁メガネがクールに光る。   それにしても、いよいよ訳がわからない。   これから俺たちはどうすればいいのだろう。   そんな時、教室のドアが開く。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!