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教室に入ってきたのは俺たちの担任だった。
みんなが担任に向かって質問をぶつけまくる。
「いいから席につけー。今から説明するから」
担任はそれを一喝。俺たちはみんなおとなしく席に着いた。
そして担任はプリントを配りはじめた。
プリントに目を落としたヤツからは驚きの声が上がる。
それを担任は五月蝿いと再び一喝。
そこでようやく俺のところにもプリントが届いた。
そこには『部活対抗部費争奪戦』と書かれている。
…なんでもう秋も半ばのこの時期に部費を争奪しなければならないんだ。
なんか驚きとか不安とか非現実とか通りこして呆れてきた。
「えーっとじゃあ説明します」
担任の声。
「まず、今日は1日かけて部活対抗で戦ってもらいます。戦うというのはようはなんでもありです。明日の朝に立ってれば勝ち」
うん、非現実ここに極まれり。
「やってらんねー、俺は帰る」
そう言って席を立ったのは俺のクラスで一番頭の良い、サッカー部の男だった。
「別に帰ってもいいが、賞金は十億だぞ?」
は!?
十億だと!?有り得ない。非現実にもほどがある。ずっと聞こえていたザワザワがいっそう大きくなる。
「そんなの嘘でしょ!?」
「いや、本当だ」
帰ろうと立ち上がった彼だったが、それを聞くと再び席につく。
現金なやつだ。
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