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『はっ……放すっべ!』
『やだね』
『なっ…!いい加減に…!』
暴れ通していた玲汰も次第に力が抜けてきて、怖いのも紛れるし、流鬼に任せた。
不思議と、背中に流鬼を感じていると安心した。
『流鬼…』
『なんだよ』
『酔ってる?』
『少し』
そんなことを度々話す。
もう映画は全く頭に入ってこない。
徐々に頭の中は背中の流鬼で一杯になって、複雑な思いがぐるぐるしている。
ついに話題もきれて、沈黙が続く中、先に口を開いたのは玲汰だった。
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