小岩井リンゴの苦悩

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『流鬼、放すべ』 『もう少し』 そう言って、流鬼は玲汰の首元に顔を埋めた。 微かにこそばゆくて恥ずかしい。玲汰は余計に落ち着かない。 どうしてかわからない。 なぜ流鬼に胸が高鳴るのか? たしかに流鬼は好きだ。 小さいけれど、唄も凄くて、目鼻立ちも綺麗で、男の自分から見てもかっこいい。 だからって――――― 流鬼もわからなかった。 不意に玲汰にいとおしさを感じた。 確かに玲汰は好きだ。 彼の重厚なベースラインは目を見張る物があるし、背も高くて、男の自分から見てもかっこいい。 なのに何故―――?
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