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「じゃ…!」
「ダメ」
言い返そうとする玲汰を流鬼が遮る。
「二人で行くと怪しまれる」
「でも…」
玲汰の額にコツン、と自分の額を当てて、流鬼は溜め息を洩らした。
「約束したろ?特別な時以外は家では会わない。それしか方法ないんだよ」
玲汰が下を向いた。
堪えているのがわかった。
「サンキュ」
そんな玲汰に、下から掬い上げるように、流鬼は唇を重ねた。
「じゃ…な」
すぐ離れて、流鬼は部屋をでていった。
「わかってるっつの…そんなん…」
流鬼が居ない部屋は、もっと寒かった。
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