小岩井リンゴの苦悩

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今日はこの後、バンドのメンバーとのプリプロがあった。 どうせそこで流鬼と会えるのだから、淋しくなんかない筈だった。 でも、行った先に居るのは、恋人の流鬼なんかじゃない。 ガゼットのボーカル、バンドのメンバー、仲間としての流鬼だ。 ―淋しい しかし、二人の関係をバンドの他のメンバーに知られる訳にはいかなかった。 絶対認めてもらえない。 否定されるのが怖い。 なにより 今、軌道に乗って、成功の一途を辿るバンドを 大切な仲間を失いたく無かった。 それが故にできた約束。 「もう…」 無理だべ… 玲汰は膝を抱えた。 もうお茶は冷めてしまった。
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