小岩井リンゴの苦悩

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いつだったろうか。 誰かが言ってた。けれど誰だかはっきり思い出せない。 突然、その言葉は流鬼の心に傍若無人に突き刺さった。 『あのさあのさ!聞いたことある!?』 『なんか、LGBTっての』 『要は同性同士ってこと?』 『ありえねー。超キショいし(笑)』 ―――あれ以来、流鬼は玲汰との事を口外無用と誓った。 傷つきたくなかった。 玲汰を 傷付けたくなかった。 (守ってやんなきゃ…) 今度は力強く扉を閉めて、流鬼は拳を握った。 (俺が……!)
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