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「葵くんさ、何の権限があってそゆこと言えるの?」
なぜだかわからない。
「流鬼と玲汰が好き合ってたら、何が悪いの?」
ただ無性に腹がたった。
「葵くんだって、自分が好きなものを頭ごなしに否定されたら…嫌だろう!?」
二人ともあんなに悩んで…
あんなに頑張ってるのに…
どうして
誰も応援してやれないんだよ…!
「なんで…いけないんだよ…!」
他人の事なのに
関係ないのに
まるで自分が否定されたように
悔しくて
哀しかった。
「間違ってるよ…こんなの」
同性なのに愛し合ってしまった二人も
それを許さない世界も
「何が正しいのかなんて…」
戒が落ち着いてから、諫められっぱなしでうなだれていた葵が口を開いた。
「正直、俺にだってわかんねぇよ…只…」
まっすぐ戒を見れずに、葵の目線は足元を泳ぐ。
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