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夢中で駆け出してスタジオ外まで出てくると、厭な顔が仏頂面で待ち構えていた。
玲汰の顔が強ばる。
無駄に携帯を弄りながら待ち伏せていた葵は、玲汰を見つけると携帯をたたんで彼の前に立った。
どちらともなにも話さない。
厭な沈黙が続く。
堪えかねた玲汰が走って通り過ぎようとすると、葵はその手をつかんで引き止めた。
「放すべ!」
「ちょっとまてな!」
「嫌だ!放せっ…」
「ごめん…!!」
思わぬ謝罪の言葉に、玲汰の動きが止まった。
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