小岩井リンゴの苦悩

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「流鬼のやつ…」 (あんなんで、我慢できるかょ) 俺よりちっちゃいクセに。 微々たるものだが、身長が自分の方が高いことを、玲汰はえらく気にしていた。 流鬼だって逞しいけれど、自分だってまごうことなく男だ。 時々、この体が忌まわしくなる。 (なんで…流鬼の事なんか、好きになったんだろ…) 別に男が好きだというわけではない。 互いに女性も経験してきたし、至って普通の青年だ。 (たしかあの頃…)
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