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背後には赤の幕が張られ、幾つもの照明とカメラに囲まれて佇む流鬼を眺めながら、にやにやしている玲汰。
「にやけすぎ」
にゅっと横から顔をだして、葵が意地悪く目を細めた。
「※☆◆◎□*▼@£?!???」
すっかり気が抜けていた玲汰は、赤面して飛び退く。
「なんだよ、仲直りしたとたんニヤニヤふにゃふにゃしやがって」
「葵くんは焼きもち妬いてるんだよね」
ばつが悪そうに俯いていると、お茶を片手に戒がくすくすにこにこ割ってきた。
「ばっか、誰が妬くか!キショく悪いっ//」
「あれー、てっきり流鬼に取られてやきもちってると思ってた」
戒にあしらわれっぱなしで、すっかり真っ赤の葵。
そんな彼らを遠巻きに見ながら、流鬼は訝しげな顔。
けれど、以前と変わらぬ仲間たちの輪に、やんわりと微笑む。
すると不意にフラッシュを浴びて眉をひそめた。
「流鬼くん、今の顔イタダキね!」
「ちょっと、そりゃないすよー!!」
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