第1章

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「あの~、長谷川さん、ずっと好きでした。付き合って下さい」 「ええよ~。オレも前から゛すず゛の事好きやったんや」 私、早乙女すずは1年間の片思いが叶った… 《ピピッ・・・ ピピッ・・・》 「すず、何時まで寝てるの、遅刻するよ~」 夢を見た。 「キャーッ」 私は布団から飛び起きた。階段を下って洗面台に駆け込む。 「すずさん、おはようございます。朝ご飯出来てますよ。」 お父さんが声をかけてくる。 「おはようお父さん。ごめんなさい、時間がなくて食べてられないです」 私は髪をセットしながら返事した。 リビングからはお母さんの声が聞こえる。 「全く、毎朝懲りないんだから、パンくらい食べて行きなさい」 お母さんに言われて、私は食パンを加えて玄関へゆく。 「こら、行儀の悪いことしないの」 お母さんは口をとがらせていう。 「ごめんなさい。時間ないから行ってきます」 そういと自転車にまたがり、学校まで猛ダッシュ。 《キーンコーン カーンコーン》 始業のチャイムが聞こえる。 私はそのままスピードを落とさずに、閉まる校門の上をジャンプ。 《キキー》 ギリギリセーフ なんとか間に合った。 私は汗だくになりながら、自分の席に着く。 「おはよう゛すず゛今日も派手に登校だね」 仲のいい゛ゆり゛が話しかけてきた。 彼女は゛西園寺ゆり゛私の一番の友達です。 「おはよう゛ゆり゛」 「すず、今日あたり日だけど、英文の予習してきた」 「あっ、しまった。」 私は血の気が引く。 「やって来なかったの。しょうかないなぁ~、見せてあげるよ」 「ありがとう、ゆり。あんたは命の恩人だよ」 「そんな大げさな」 そんな、他愛もないことで盛り上がって、いつものように1日が始まって行く。
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