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「ぬおおおぉぉぉ!」
オレの名前は 龍崎 誠(リュウザキマコト)。只今オレは学校までの道のりを爆走中なのだ。遅刻しそうだからとか、ベタな理由ではない。理由は……
「誠ぉぉ!なぜ毎朝逃げるのだぁぁ!?」
オレの後ろを全力で追い掛けてきているあいつは 草鈴 美玲(クサスズミレイ)だ。なぜ逃げるかって?だって美玲に捕まったらオレにくっついて離れないからだッ!
「逃げてほしくなかったら追い掛けてくんなぁぁ!」
オレは後ろを振り返りながら叫ぶ。
美玲から逃げながらオレは学校に逃げ込んだ。すると…
「おーっす!毎朝あんなカワイイ子に追い掛けられて…羨ましいぜ。オレと変わってくれ」
オレが必死に逃げているにもかかわらず、呑気に話しかけてくるコイツは 一本木 勇平太(イッポンギユウヘイタ)。変な名前だ。クラスの皆から「変な名前だ」 「呼びにくい」など、名前に苦情が殺到したため、考えられたあだ名が「ポンタ」である(どっちにしろ変だ)。
しかしコイツは…オレの苦労も知らないで呑気にッ……そうだ!
「よし!お前と立場を変わってやる。だから全力で美玲を止めてこい!」
「なにっ!?マジか!よぉ~し…」
よし!これで足止めできる!頑張れポンタ!ポンタはこっちに走ってくる美玲に両手を広げて
「草鈴さ~ん!今日から僕が君のフィアンセだよ~!」
などとほざきながら、美玲の前に出る。
怖いもの知らずとは、まさにこのことである。
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