さようなら、誠様…

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「…詳しい事は御両親も分からないらしい。だが、最近親子の間でもめ事があったらしい……恐らく、ソレが原因で草花は…」 親子の間でもめ事…… ようやく分かった……香が暗かった理由が。 それも、家を出て行きたいと思う程の大きな問題。 とてつもない罪悪感が、オレを襲う。 遅かった…… 香が抱えていた闇に気付いていたのに… 遅すぎたっ…! もっと早く問い詰めるべきだったんだっ…! 香… ごめん…… 「一応、警察には捜索願いを出しているそうだ。じきに見つかるさ!安心しろ、お前ら!アタシ達は草花の帰りをジッと待ってればいい」 安心?ふざけんな……出来る訳ねーだろ。 アイツは… アイツは…家を出て行きたくなる程追い詰められてるんだぞ!? ジッとしてなんかいられっかよ! オレは、勢い良く立ち上がり、教室を飛び出した。
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