さようなら、誠様…

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「誠よ。お前解ってねーな」 ハァ~とため息を吐き、呆れた様子のポンタ。 ちょっとバカにされているようで腹が立ったが、何が解ってないのか聞いてやろうじゃないか。 「何が解ってないって?」 「ふっ…バカめ。歩きで香ちゃん捜すより、マイ・ハニーに乗って捜した方が早いに決まってるだろ」 自信満々に力説してくれたポンタ君。だが、一つ言わせてもらおう。 バカはてめぇだよバカ。 「成る程。確かに歩きよりチャリの方が素早く行動出来るだろうな」 「だろ!?やっぱオレ天才じゃん!ハハハ、まいったなぁ!」 「お前な……この人混みの中でチャリンコに乗れると思うか?仮に乗れたとしても、歩きで進んだ方が数倍速いだろうな」 「……」 夏の終わり。生暖かい風がオレとポンタの間をすり抜けていく。 「…………しまったぁぁぁぁぁ!そこまで考えてなかったぁぁぁぁ!」 ムダな努力お疲れ様でした。
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