さようなら、誠様…

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四つん這いになって落胆するポンタ。 周りからの視線が痛いから止めてほしい。 「えぇい!その程度のことでクヨクヨしてんじゃねー!チャリンコのことは一先ず忘れて、香を捜しに行くぞ」 まるでこの世の終わりみたいに落ち込むポンタの腕を引っつかんで、立ち上がらせる。 「…誠、オレはダメな奴だ……少しは気の効いた事をしようとしても、結局は空振り…逆に迷惑をかけちまってる……もぅ何もしない方がいいのかもな…ハハッ…」 ふっ…と、小さく笑みを浮かべ、俯くポンタ。 何かよくある青春ドラマチックな展開になりそうな気がしてきたので、オレもその流れに乗ってやろうと思う。 「バカヤロウ!弱気になってんじゃねー!お前、好きな女のためにここまでやってきたんじゃねーのか!?この程度の失敗で諦めれる程、お前の香にたいする気持ちはちっぽけなもんだったのかよぉぉ!」 お、案外楽しいかも♪オレなかなかの演技じゃね?コレTV出れんじゃね?
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