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「あの!ちょっとすいません!」
「ん?ボク?なんだい?」
「この辺りで身長140後半くらいの長い栗毛の女の子を見ませんでしたか?チェックのスカートの制服を着た子なんですけど」
「いやぁ…見ないねぇ…」
「そうですか……」
美玲達を別れてから、数十分…いまだに香に関する目撃情報などは見つかっていない。
第一、この商店街に香が来たかどうかさえ分からないんだ。
いくら何でも範囲が広すぎる……
いや…何つまんねぇこと考えてんだよオレ…諦めたらそこで終わりじゃねぇかよ…!
「……諦めてたまるかッ!」
そう、諦めない。諦められない!
辛い思いを心に隠したままの友達を…仲間を…
それを救えねぇような奴は、ソイツの友達でいれる資格なんかありはしない。
悩んでる仲間を救ってこそ仲間。
苦しんでいる親友を助けてこそ親友。
待ってろ香…!すぐに助けてやるから…!
「ちょっと!すいません。この辺りで…」
そしてオレは聞き込みを再開する。
真上に上った太陽が、ジワリジワリを体力を削っていく…
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