さようなら、誠様…

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『誠。こちら美玲だ。香は見つかったか?』 こちら美玲って……そんな軍隊の無線通信みたいな… 「あー……いや、見つからねぇ…」 携帯を耳に当て、商店街のガラスの天井を見上げながら力なく呟いた。 そんなオレの暗さを感じとったのか、美玲は『大丈夫だ!絶対にみつかる』と、励ましの声をかけてくれた。 たとえどんな気休めの言葉であろうと、今のオレにとっては最高の言葉。 再び、オレの意識は闇の底から、元の明るい地上へと引き上げられる。 「ありがとう……美玲…」 …くじけるなよオレ!諦めてんじゃねぇ! 「美玲!オレもうひとっ走りするわ!電話切るぜ?」 『そうか。なら、私も頑張ってみるかな!』 通話を切り、携帯をポケットに押し込む。 さて!捜すか! 地面ばかりを見つめていた顔を上げ、通路の先を見つめる。 「…………ぇ?」
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