さようなら、誠様…

29/50
前へ
/620ページ
次へ
………お母さん達…心配してるかなぁ… 商店街を、何処に向かう訳でもなく、ただ、ゆっくりと歩きながら両親の事を考える。 もぅ1日帰ってないもんね… 心配してるよね… 今更だが、自分がしてしまった事を後悔する。 こんなことになってしまっているのも、夏休みが明ける直前に父から信じられない事実を伝えられたから。 それが信じられなくて…信じたくなくて……家出を決意したんだっけ… 別にこんなくだらない事をしたって、何も変わりはしないのにね。私ってバカだ… 夏休みが明ける数日前。 その日の夜、珍しくお父さんが仕事から早く帰宅してきた。 何かとってもイキイキした顔をしながら帰ってきたお父さんは、私とお母さんをリビングに呼んで 「聞いてくれ!父さんな、出世したんだ!」 凄く嬉しそうに、私とお母さんに言ってきた。
/620ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46312人が本棚に入れています
本棚に追加