さようなら、誠様…

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もちろん、私と母は… 「ホントっ!?おめでとう!お父さん!」 「さすがはアナタね」 父と一緒になって喜んだの。 自分の父親が会社で出世して嫌な娘はいないと思う。 もちろん、私も凄く嬉しかった。あんなにウキウキした顔のお父さんも、久しぶりに見たから… でも、その喜びも父が放った一言で、一気に冷めてしまった… 「父さん頑張って仕事したからな!だから、もっと大きな会社に転勤することになったんだ!今月の終わりには引っ越すつもりでいてくれ」 「…………え?」 耳を疑った… 引っ越す?ここを離れるの?学校はどうなるの? 「あら、アナタ!また引っ越しするの?」 お茶をすすりながら尋ねる母。 母の態度は至って平然としていた。 でも…私は……
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