さようなら、誠様…

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「ちょ、ちょっと待ってよ!お父さん!私 引っ越しなんてしたくない!」 私は叫んだ。 私が両親に怒鳴るなんて初めてに近い。 そのことにビックリしたのか、母も父も私の顔を見ながら目を丸くしている。 だけど、こればかりは私も声を張り上げて反論したかったから… 今年の春、父の仕事の関係で今の家に引っ越してきた私。 そして、何も知らずに歩いていた商店街の裏路地で誠様に出会ったんだっけ… 怖い人達に絡まれて、どうすることも出来なかった私の前に現れたのが誠様だった。 見ず知らずの私を、危険をかえりみず助けてくれた… それが、誠様との初めての出会いと同時に初めての友達。 そして、初恋の人…
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