46312人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし……香…もぅ、決まってしまったことなんだから仕方が…」
「イヤ!絶対に行かない!」
おどおどと話す父。
しかし、私はお構い無しに怒鳴り散らす。
互いに譲らないまま、そんな口喧嘩が数十分続いた。
「ヤダ!私はここに残るから!」
「何度言えば解るんだ!いい加減にしないか!」
「ヤダったらヤダ!」
「香っ!!」
父が叫んだ。
その瞬間だった…
パシーン…!
私の頬に、強い衝撃が走った。
私は、その突然の事に反応出来ず、そのまま床に尻餅を付く形で倒れた。
「あ…」
父の情けない声が、静かなリビングに小さくこだまする。
そして、父の声と共に私は今の状況を理解する。
私がこの世に存在してから16年…
私は、初めて父に叩かれたのだった…
最初のコメントを投稿しよう!