さようなら、誠様…

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「……うわ……目、真っ赤だよ…」 翌朝 私は洗面所にて自分の目を鏡で確認している。 まあ、予想通りというか何と言うか……あれだけ涙を流しながら眠ったらこうなっちゃうよね… はぁ……鬱だ… こんな顔で学校行きたくないな… そんな事を思いながらも、冷たい水で目を洗い、歯を磨いてリビングのドアを開けた。 いつもの様に「おはよう」とは言わず、ただ 無言でドアをくぐる私。 お母さんは台所で朝ごはんの用意。 お父さんはイスに腰掛けて新聞を開いていた。 気まずい空気がちっぽけな空間を満たす中、テレビの音だけがこの場を賑わせていた。 私もイスに座る。 だけど、いつもとは違う場所に腰掛けた。 いつもなら父の正面に座る私だが、今日は父の斜め前に座った。
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