さようなら、誠様…

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無言で朝食を済ませ、時計で時間を確認してから家を出る。 今日はいつもより早めに家を出た。 こんなに静かな朝は初めて。 こんなに鬱な朝も初めて。 父と一緒に家を出ない朝も初めてだ… たった一人で歩く通学路は、いつもとはまるで別の場所のように思えてくる… いつもより早く学校に到着。 グランドでは朝練に励む野球部やサッカー部の人達の姿があった。 ほんの少しだけ… 私は朝練をしている生徒達を眺めた後、校舎に入った。 まだ誰も居ない静かな教室… 教室の隅から教室全体を見渡してみる。 この楽しいクラスとも別れなければいけないのだろうか… そう考えると、目頭が熱くなった…
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