さようなら、誠様…

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誰も居ない教室で、たった一人…私は席に座って時間を潰す。 このような何も聞こえない静かな空間にいると、不思議なことに何も考えたくないのに何か物事を考えてしまう… 私の頭の中は昨晩の出来事で一杯になってしまっていた… 父の転勤。 私の転校。 転校?何故?大好きな友達と別れて?心から信頼出来る仲間と別れて? ……ふざけないでッ…! 昨晩の出来事が頭の中でグルグルと暴れ回る。 思わず拳に力が入り、私の手の平は汗でジメッと湿っていた。 受け止めたくない事実。出来れば…出来れば嘘であってほしいと心から願った。 だが、現実は現実。私が何をしようとも、何も変わりはしない。 気がつけば、私の頬は涙で濡れていた…
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