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夜の商店街というのは不気味なもので、昼の賑やかな光景が嘘のように思えてくる。
全ての店のシャッターは固く閉ざされ、人混みになっていた通路は人っこ一人見当たらない。
ぼんやりと光る街灯が、余計に気味悪さを醸し出していた…
お父さん……心配してるかな…
ガラガラの通路をとぼとぼと歩きながら、そんなことを考える。
ふと、目に入った時計の針は午後10時を指し示していた。
この時間なら、父は家に帰っているだろう。
一体、我が家はどんな状況なのだろうか…
いつまで経っても私が帰らないと、慌てふためいているのか…
いずれ帰ってくるさと、笑いながらテレビを見ているのか…
今の私にそれを知るすべは無い。
だけど、これだけは自信を持って言える…
朝まで帰らなければ、必ず両親はおかしいと感じるハズだ。
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