さようなら、誠様…

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午後3時。 私は、とくに何処に向かっている訳でもなく、ただ 商店街を歩いていた。 傾きかけた夕日が、ジリジリと背中を照らしつける。 やっぱり、現実を受け入れるべきなのかな… このまま逃げて、何か変わるのだろうか? お父さんの転勤はすでに決定している。今更、取り消しになることは、ほぼ0%に近いのも分かってる… 私のしている行動は、ただまわりの人に迷惑をかけているだけ… お父さんやお母さん。 誠様、美玲さん、ポンタ君や学校の人達。 これだけの人達を心配させて…迷惑をかけてまで、私のしている行動は大事なことなの…? ……バカげてる…バカげてるよ…! もういいじゃない、私… ワガママはここまで。 現実を受け入れて、皆とお別れをする… これが、私のけじめ。 「心配かけてごめんなさい」 「私、転校することになりました」 「短い付き合いだったけど、楽しかったよ。ありがとう」 笑顔で……別れを告げよう……
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