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『さようなら』
…
……
………
香が人混みに消え、オレはただ 香が消えた場所を見つめながら立ち尽くしていた…
追いかけようとも思ったのだが、追いかけて 何て声をかければ良かったのか分からなくて止めた。
香のあんな顔…初めて見た……
オレには分かる。
香の、あの言葉は本心じゃない。
極限まで溜まった不安が、香の気を動転させているんだ。
そして、その溜めた不安を言葉にして吐き出した結果が、アレだ。
きっと、今も香は苦しんでいる…
香だって、あんな別れを望んでるハズがない。
じゃあ、どうする…?
決まってる。
ポンタと美玲を連れて、香ときちんと話をつければいい。
ポンタも美玲も、こんな別れに納得しないだろう。
一度 集合場所に戻って、アイツらと合流する。
そして、今あった出来事を全部話そう。
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