本当の気持ち

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「そこの角を曲がったらすぐの場所だ」 「そうか…」 色々と問題を抱えたまま香の家に到着してしまった… というか、そもそも香は家に帰っているのだろうか? 商店街から姿を消した後、真っ直ぐに家に帰ったのだろうか? 考えれば考えるほど不安が膨れ上がる… いや……大丈夫…。 香は絶対に帰ってる! いつまでも逃げ回るほど、香は弱い奴じゃない…! アイツは現実と真っ正面からぶつかれる勇気を持っているんだ! 間違いなく、香は帰っている…! 「…っと、着いたぞ」 先頭を歩いていたポンタが立ち止まり、一軒の家を指差す。 指の先に建つ家の表札には、確かに「草花」と刻まれていた。 「お前ら……一応聞くが、呼び鈴押すぞ?」 「あん?今更何ほざいてやがんだよ。さっさと押せっつーの!香ちゃんが待ってんだ!」 「不覚にも一本木に同意だな。今更引く訳がなかろう?」 「だよな…聞いただけだ。じゃ!行くぜ!」 そして、オレは勢いよくボタンを押した。
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