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ガチャリとカギの外れる音が聞こえ、玄関の扉が開かれる。
その隙間から、ひょっこりと香が顔をのぞかせた。
「……えっと、とりあえず上がってください…」
やはり、顔を合わせると気まずい…
その気まずさに耐えれなかったのか、視線を泳がせながら呟く香。
「じ、じゃぁ…お言葉に甘えて」
ポンタ!美玲!お前らも何とか言えよ!
オレだって気まずいんだぞ!?
「お邪魔しまぁす……」
何となく忍び足になりながら玄関で一言。
香の家か…初めてだな……
「では、邪魔するぞ」
美玲…何かお前図々しいな……敬語というものを知らんのか?
「お、お邪魔しみゃす!」
噛むな。
ポンタお前 めっちゃかっこ悪いぞ?
学芸会で自分の出番直前の小学生みたいな状態になってるぞ?
「スリッパはそこの使ってください」
「おう。ありがとう」
何となく雰囲気に慣れてきた。さっきよりスムーズに言葉が出てくる。
ゴッ!
「痛いっ!あぁ!下駄箱の角に小指ぶつけたぁぁ!」
ポンタお前黙れよぉぉぉ!
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