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「香は…この土地から離れる事を望んでいない。あなたも分かってるんでしょ?」
「……えぇ…それは……分かっています…」
オレの問いに、言葉を詰まらせながら答える。
「でも…主人の転勤は、もう決まってしまったこと…今更それを取り消すなんて無理なんです。
仮に、取り消せたとしても、きっと主人はそれを望まないと思います…」
そう言うと、また悲しそうに俯くのだった。
その表情を見て、オレは心の中でホッとした。
オレは勘違いをしていた…
香マミーは香の味方だったんだ。
ちゃんと香の事を考えてくれていたんだ。
しかし、困ったな…
やっぱり転勤の取り消しは厳しいか…どうしたもんかねぇ…
香の親父さんが1人だけで引っ越す訳にもいかないだろうし…
ん……待てよ?
1人だけ…?
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