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ジーンと目頭が熱くなり、グニャリと視界が歪む。
何で泣いているんでしょうね?私…
父に顔を見られないように俯き、袖で目に溜まった涙を拭い取る。
「…約束します。絶対に弱音なんか吐きませんし、毎日毎日電話もします!」
「そうか。それなら、やってみなさい。一人暮らしを」
中腰になり、私の顔の位置と並ぶように、父も顔を下げた。
小さな笑みを浮かべながら私の頭を撫でる父。
昔…まだまだ私が幼かった頃、よくこうして頭を撫でてくれたっけ…
懐かしいなぁ…昔と変わらない、暖かい手…
「でも、流石に毎日は電話しなくてもいいんだぞ?」
「いえ、します!毎日毎日ぜーったいに電話しますから!」
そんな私の言葉に父は、フッと鼻で笑う。そして
「はぁ…好きにしなさい」
そう言いながら、体制を元に戻すのだった。
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