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そう言われた瞬間、オレの思考は一瞬だけ停止する。
「そ、そんなのムリに決まってるだろ!?」
「ムリ?何故だ?」
眉間にシワを寄せ、首をかしげるレイ。
何故?
……何故だろう?何故オレは断った?
美玲に近寄るな?いいじゃん。別に。
美玲に近寄らなければ、もうベタベタとくっついてくる美玲に悩まされることも無いだろ?
この条件はオレにとって悪い条件ではないハズだろ?
でも、オレは断った…
何故なんだ?
自分のとっさの台詞に、考え込む。
「だ、ダメだぞ!誠!そんな条件はダメだ!」
驚いたような表情で、オレに向かって叫ぶ美玲。
だが、レイは鋭く美玲を睨み
「美玲。すまないが、君は少し黙っていてくれないか?コレはボクと龍崎の問題だ」
そう言い放つ。
そして、再び視線をオレに戻し
「どうなんだ龍崎。この条件を呑んでボクと戦うか、条件を蹴って尻尾を巻いて逃げ出すか…選ぶがいい」
どうする…?
そんなの決まってる!
「やるさ!条件を呑んでやる!」
逃げる訳にはいかない。
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