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無言のまま、美玲は道場の真ん中に立つ。
やっぱり表情は納得いかないといった感じのままだが…
そんな美玲を挟み、オレと睨み合うレイ。
ピリピリと空気が振動する………気がした。
「…じゃあ、始めるぞ」
不機嫌そうに呟く美玲。
その声で、オレとレイは構えの体勢をとる。
「…ふふ…龍崎、貴様は2秒後には床へ寝そべっているだろう…」
またレイの挑発。
いい加減我慢も出来なくなってきた…
自然と握る拳に力がはいり、掌には汗が滲み出る。
「……そうだ。ハンデをやろうか? そうだな…ボクはこの立ち位置から1歩も動かない。これでどうだ?」
ブチッ
レイの更なる挑発に、とうとうオレの中の何かが切れてしまった。
殺す。ぶっ殺してやる…
全力で顔面に突きを放ってやる!
寸止め?知るかそんなもん!
顔面が潰れるくらい殴らねぇと気が済まねぇ!
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